• 初心者
  • 20分
  • US hdc = UK htr

中長編みの編み方(US:hdc)

水色のコットン糸で往復に編んだ中長編みのスワッチ。目はこま編みより高く、段と段の間に横向きの筋があり、いちばん上に黄色の新しい段がある。
往復編みの中長編み。高さはこま編みと長編みの中間です。 写真: Stilfehler / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0 (加工あり)
くさり編みの作り目の上に、こま編み・中長編み・長編み・長々編みの編み目記号が並び、それぞれの横に同じ高さの立ち上がりのくさり(1目、2目、3目、4目)が積み重なっている図。
編み目の高さくらべ(×=こま編み、T=中長編み、斜線1本のT=長編み、斜線2本のT=長々編み、楕円=くさり編み)。中長編みはくさり約2目分の高さです。

記号の見方

  • くさり編み · US ch
  • こま編み · US sc
  • 中長編み · US hdc
  • 長編み · US dc
  • 長々編み · US tr

中長編み(US: hdc/UK: htr)は、高さがこま編みと長編みのあいだにある編み目です。こま編みより早く編み進められ、長編みより目が詰まっていて、ふんわりと温かみのある編み地になります。帽子、マフラー、ブランケットにぴったりです。目の裏側に横に渡る糸(英語では third loop)を拾って模様を作れるのも、中長編みならではの特徴です。

用語メモ:英語のパターンでは、US式の half double crochet(hdc)とUK式の half treble crochet(htr)が中長編みにあたります。

編み図での記号

日本の編み図(JIS記号)では、中長編みはアルファベットの「T」の形で表されます。長編みの記号(Tの縦棒に斜線1本)と似ているので、斜線の有無で見分けましょう。

用意するもの

  • 並太〜極太の毛糸と、ラベルの参考使用針に合ったかぎ針(並太なら5/0〜7/0号前後、極太なら8/0号前後が目安。英語版はworsted糸に5mm=8/0号)
  • 練習用のくさり編み17目の作り目

中長編みの編み方

1段目(作り目のくさりに編む)

  1. 針から3目めのくさりを探します。 飛ばした2目が立ち上がりの役目をします。
  2. 針を入れる前に糸をかけます。 この1回の糸かけが、中長編みをこま編みより高くします。
  3. 針から3目めのくさりに針を入れます。
  4. 糸をかけて引き出します。 針にループが3本かかります。
  5. もう一度糸をかけます。
  6. 3本のループを一度に引き抜きます。 針にループが1本残れば、中長編み1目の完成です。
  7. 残りのくさりにも1目ずつ中長編みを編みます。

くさり17目の作り目なら、飛ばしたくさりを数えない場合は中長編み15目、パターンで飛ばしたくさりを最初の1目と数える場合は16目になります。

ポイント: 3本を一度に引き抜くのは、ループがゆったりしているほうが簡単です。力まかせに引かず、針先を下に向けて、すべらせるように通しましょう。

2段目以降の編み方

  1. くさりを2目編み、編み地を裏返します。
  2. 最初の中長編みを、段の最初の目に編みます(くさり2目の根もとの目)。英語の最近のパターンの多くでは、このくさり2目を目数に数えません。
  3. 前段の目に1目ずつ中長編みを編みます。 目の頭のくさり2本を拾います。
  4. 目数を数えます。 15目のままなら正解です。

立ち上がりを1目と数える場合

パターンに「ch 2 (counts as hdc)」(くさり2目を中長編み1目と数える)とある場合は、最初の目を飛ばし、残りの目に中長編みを編み、最後の中長編みは前段の立ち上がりのくさりの最後の目に編みます。日本の編み図では、中長編みの立ち上がりは1目と数えるのが一般的で、記号図でも立ち上がりのくさりが1目として描かれています。どちらの方法も正しく、目数と端の見た目が変わるだけなので、使っているパターンに従ってください。

目の裏側に渡る糸(third loop)

中長編みを編んだ段を裏から見ると、目の頭のVのすぐ下に横向きの糸が1本あります。英語では third loop(3本めのループ)や back bar と呼ばれます。日本語には定まった呼び名がないため、このサイトでは「目の裏側に渡る糸」と呼びます。くさり編みの「裏山」とは別の場所です。この糸だけを拾って編むと、目の頭の2本が表側に押し出され、メリヤス編みのようなすじが現れます。帽子のふちや凹凸のあるブランケットによく使われるテクニックです。

高さの比較

編み目 針を入れる前の糸かけ 引き出したあとのループ 立ち上がりのくさり
こま編み(US: sc/UK: dc) 0回 2本 1目
中長編み(US: hdc/UK: htr) 1回 3本 2目
長編み(US: dc/UK: tr) 1回 3本(2本ずつ2回で引き抜く) 3目

中長編みと長編みは、途中までまったく同じです。違うのは最後で、中長編みは3本を一度に引き抜き、長編みは2本ずつ2回に分けて引き抜きます。

よくある失敗

  • 最初の糸かけを忘れる。 それはこま編みになってしまいます。
  • 3本ではなく2本だけ引き抜く。 針にループが2本残り、長編みの途中の状態になります。
  • 立ち上がりの数え方がばらばら。 くさり2目を数えるかどうかを決め(またはパターンで確認し)、最後まで同じ方法で編みましょう。数え方が混ざるのが、端がガタガタになるいちばんの原因です。
  • 端にすき間ができる。 数えない立ち上がりのくさり2目ですき間ができるなら、くさり1目にしてみましょう。慣れてきたら、こま編みと中長編みを重ねるような立ち上がりの方法もあります。

アレンジ

  • 目の裏側に渡る糸(third loop)を拾う中長編み: 表側にメリヤス編み風のすじが出ます。
  • 向こう側半目を拾う中長編み: うね模様になり、袖口や帽子のふちに向きます。
  • 中長編み2目一度(減らし目): 糸をかけて針を入れて引き出す、を2目分くり返し(ループ5本)、糸をかけて5本を一度に引き抜きます。

よくある質問

中長編みの立ち上がりのくさり2目は、1目に数えますか?

パターンによります。英語の最近のパターンでは数えず、最初の中長編みを段の最初の目に編むことが多いです。1目と数えるパターンもあり、日本の編み図では1目と数えるのが一般的です。どちらなのかは、パターンの注意書きに書かれているはずです。

中長編みはUK式では何と呼びますか?

half treble crochet(略してhtr)です。

中長編みは長編みより目が詰まっていますか?

はい、同じ糸と針で編んだ場合はそうです。中長編みは背の低い編み目なので、長編みより目と目のすき間が小さくなります。帽子やブランケットによく選ばれるのはそのためですが、暖かさは糸によっても変わります。

針にループが3本かかっているのは正しいですか?

はい、中長編みでは正しい状態です。針を入れる前の糸かけ、引き出したループ、もともと針にかかっていたループの3本です。

日本の編み目名(JIS記号)で解説し、英文パターン用にUS式の略語も併記しています。