• 初心者
  • 10分
  • US ch = UK ch

くさり編みの編み方(US:ch)

水色のコットン糸で編んだくさり編みと紫のかぎ針。針にループが1つかかり、その上に糸がかけてあり、引き抜いて次のくさりを編むところ。
糸をかけ、針にかかったループから引き抜くと、次のくさりが1目編めます。 写真: Stilfehler / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0 (加工あり)

くさり編みは、ほとんどの人がかぎ針編みで最初に覚える編み目で、どの作品でも必ずといっていいほど使います。くさりを必要な数だけつないだもの(作り目)が、1段目を編みつける土台になります。くさり編みは段のはじめの立ち上がり、透かし模様のすき間、グラニースクエアの角のループにも使われます。

英語のパターンでは、くさり編みはUS式・UK式ともに chain(略して ch)と書きます。

編み図での記号

日本の編み図(JIS記号)では、くさり編みは白抜きの横長の楕円「○」で表されます。作り目の段は、この楕円が一列に並んで描かれます。

用意するもの

  • なめらかで明るい色の並太〜極太の毛糸(明るい色ほど目が見やすい)
  • 毛糸のラベルの参考使用針に合ったかぎ針(並太なら5/0〜7/0号前後、極太なら8/0号前後が目安。英語版はworsted糸に5mm=8/0号)
  • 針にかけた最初の目(スリップノット)

くさり編みの編み方

  1. 最初の目を作り、針にかけます。するすると動くけれど、ゆるすぎない程度に引き締めます。
  2. 針を利き手で持ち、玉から出ている糸(編み糸)を反対の手の指にかけます。最初の目の糸端を、その手の親指と中指でつまみます。
  3. 糸をかけます: 編み糸を針の向こう側から手前にかけ、針先のくぼみ(フック)にのせます。
  4. 引き出します: 針先を少し下に向け、針にかかっているループから糸を引き出します。これでくさり1目です。
  5. つまむ位置を上げます。 今編んだ目のすぐ下を持ち直し、いつも針の近くを押さえるようにします。
  6. 手順3〜5をくり返し、必要な目数を編みます。

ポイント: 針を回す動きは手首にまかせましょう。引き抜くときは針先を下へ、引き抜いたら上へ。小さくひねるだけで、針先がループに引っかからなくなります。

くさり目の数え方

くさりの表側には、小さな横向きのV(くさりの半目2本)が並んでいます。このVを数えます。

  • 針にかかっているループは数えません。 次の目の始まりで、完成した目ではないからです。
  • 最初の結び目(スリップノット)も数えません。 糸を留めるためのもので、くさり目ではありません。

最初の結び目と針のあいだにVが20個あれば、くさり20目です。作り目が長いときは、10目か20目ごとに段数マーカーを付けておくと、数がわからなくなっても最初から数え直さずにすみます。

くさり目のつくり

よく見ると、くさり1目は3本の糸でできていることがわかります。

部分 場所 特徴
上側の半目 表側に見えるVの片方の足 いちばん見やすく、拾いやすい
下側の半目 表側に見えるVのもう片方の足 上側の半目と合わせてVの形になる
裏山 裏側にある1本のこぶ ここを拾うと、作り目側の縁がVの並んだきれいな形になる

英語のパターンは「sc in 2nd ch from hook(針から2目めにこま編み)」とだけ書き、どの糸を拾うかまでは指定しないことがほとんどです。初心者はくさりの半目1本(または半目2本)を拾うと編みやすいでしょう。裏山を拾うといちばん端がきれいに仕上がるので、ブランケットなど作り目側の縁が見える作品に向いています。日本の作品解説では「裏山を拾う」と指定されることもよくあります。

手加減とくさり目の関係

くさり編みでいちばん多いトラブルは手加減(糸の引き具合)です。作り目が上の段よりきついと、編み地の下側が縮んで幅が狭くなります。

  • くさりに針が入りにくいなら、きつすぎます。作り目だけ1〜2号太い針で編み、そのあと元の針に戻してみましょう。
  • 目がゆるく、ぶかぶかしているなら、編み糸を少ししっかり持つか、小指に1回巻きつけてみます。
  • 1目ずつ、針先のくぼみではなく針の軸のいちばん太い部分で目を作ります。これだけで、きつい作り目が直ることもよくあります。

よくある失敗

  • 針にかかっているループを数えてしまう。 くさりが1目足りなくなります。
  • くさりがねじれる。 1段目を編むときは、すべてのVを自分のほうへ向けておきます。作り目がねじれていると、1段目もねじれて編み上がります。
  • 1目ずつきつく引き締める。 くさり目は針の軸と同じくらいの大きさで、そろっていて、ゆったりしているのが理想です。
  • 長い作り目で数がわからなくなる。 マーカーを使うか、数目多めに編んでおき、1段目を編み終えてから余分をほどきます(最初の結び目をほどいて糸端を引き抜きます)。

パターンでのくさり編みの使われ方

  • 作り目: 平らに編む作品のスタートの段。
  • 立ち上がり: 段のはじめに編むくさりで、次の目の高さまで針を持ち上げます。
  • くさりのすき間(ch-sp): くさりを編んで目を飛ばすことでできるすき間。モスステッチやネット編みなど。
  • くさりのループ: 長めのくさりで作る輪やループ、つり下げ用のタブなど。

よくある質問

最初の結び目(スリップノット)はくさり1目に数えますか?

数えません。最初の結び目も、針にかかっているループもくさり目ではありません。そのあいだにある完成したVだけを数えます。

編み地の下のほうが狭くなるのはなぜですか?

作り目が、上の段の目よりきついためです。太い針で作り目を編むか、1目ずつ針の軸の太さいっぱいで目を作るように意識しましょう。

くさりのどこに針を入れればいいですか?

いつも同じ場所を拾えば、どこでもかまいません。初心者には半目1本を拾う方法が簡単で、裏山を拾うといちばんきれいな縁に仕上がります。

くさりの作り目をしない方法はありますか?

はい。英語圏で foundation single crochet などと呼ばれる方法を使うと、作り目と1段目を同時に編めます。伸縮性がありますが、まずはふつうのくさり編みから覚えるほうが簡単です。

工程写真

木のテーブルの上に置いた、水色のコットン糸で編んだくさり編み。V字形のくさりの目がつながって並んでいる。
編み終わった作り目のくさり。Vの1つが、くさり1目です。 写真: Stilfehler / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0 (加工あり)

日本の編み目名(JIS記号)で解説し、英文パターン用にUS式の略語も併記しています。