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目立たない減らし目のやり方(インビジブル減らし目)

2つの編み目記号を並べた図。左は「こま編み2目編み入れる」、右は「こま編み2目一度」で、上の段の「×」1つの足が下の段の2目にのびている。
左=こま編み2目編み入れる(V)、右=こま編み2目一度(Λ)。目立たない減らし目も、編み図ではふつうの「こま編み2目一度」の記号で表します。違いは、手前側半目だけを拾って編むことです。この図は×を頂点に1つだけ描いた形ですが、2本の足それぞれに×を描く編み図もあります。

記号の見方

  • こま編み · US sc
  • こま編み2目編み入れる · US inc
  • こま編み2目一度 · US sc2tog

目立たない減らし目(英語では invisible decrease)は、あみぐるみや、輪に編むこま編みの編み地で目を減らすときの定番の方法です。ふつうのこま編み2目一度(US: sc2tog)と同じ働きをしますが、手前側半目だけを拾い、向こう側半目を編み地の内側(裏側)に残すので、ずっと目立ちにくくなります。あみぐるみの頭の減らし目のところに小さな穴やでこぼこができてしまうなら、試してみる価値のある方法です。

用語メモ: 英語のパターンでは、US式の single crochet(sc)がこま編み(UK式では double crochet)、sc2tog(UK式では dc2tog)がこま編み2目一度です。

ふつうのこま編み2目一度が目立つ理由

ふつうのこま編み2目一度は、2つの目の頭2本からそれぞれ糸を引き出し、針に3本のループをかけてから引き抜きます。きちんと減らせますが、少しかさばる目になり、横に目に見えるすき間ができます。あみぐるみのようになめらかで目の詰まった表面では、このすき間が目立ちます。とくに、綿を詰めて編み地が伸びると、よけいに目につきます。

日本の編み図では、こま編み2目一度は、2つの「×」の頭が1点に集まった逆V字形の記号で描かれます。目立たない減らし目も、編み図上は同じ記号で、編み方だけを変えて使います。

目立たない減らし目のやり方

  1. 次の目の手前側半目に、手前から向こう側へ針を入れます。 糸はかけません。
  2. 続けて、その次の目の手前側半目にも針を入れます。 針には、もともとのループと2本の半目、合わせて3本がかかっています。
  3. 糸をかけて、2本の手前側半目から引き出します。 針にループが2本残ります。
  4. 糸をかけて、針の2本のループを引き抜きます。
  5. 1目と数えます。 前段の2目が1目になりました。

ポイント: 「手前側半目」とは、編んでいるときに自分にいちばん近い側のループです。細い2本の糸だけをまとめるので、ふつうのこま編み2目一度のようなかさばりやすき間ができず、両隣の目とそろって平らに収まります。

どんなときに使う?

あみぐるみのパターンの多くは、減らし目をdecやsc2tog(日本の編み図ではこま編み2目一度の記号)で表します。パターンで特にふつうのこま編み2目一度が指定されていない限り、こま編みの減らし目の指示があるところならどこでも、目立たない減らし目を使えます。ボールを閉じるときの典型的な減らし方は次のとおりです。

段 編み方 目数
A (こま編み4目、減らし目)×6 30
B (こま編み3目、減らし目)×6 24
C (こま編み2目、減らし目)×6 18
D (こま編み1目、減らし目)×6 12
E 減らし目×6 6

1段ごとに6目ずつ減らします。平らな円や球体の上半分を編むときの、1段ごとに6目の増し目をちょうど逆にした形です。

減らし目の次の段の編み方

減らし目は前段の2目にまたがっていますが、できる新しい目は1目だけです。次の段では、これを1目として編みます。いつもどおり、頭の2本を拾いましょう。各段の最初の目に段数マーカーを付け、段の終わりに目数を数えます。

よくある失敗

  • 向こう側半目を拾ってしまう。 手前側半目ではなく向こう側半目を拾うと、かえって減らし目が目立ちます。拾うのは手前側半目だけです。
  • 同じ目に2回針を入れる。 2回めは必ず次の目に入れましょう。
  • 3本のループを一度に引き抜く。 きつくて低い、引き抜き編みのような減らし目になってしまいます。まず2本の手前側半目から引き出し、それからこま編みを完成させます。
  • ゆるく編みすぎる。 ゆるい減らし目は、綿を詰めると開いてしまいます。手加減をそろえ、あみぐるみには少し細めの針を使いましょう。
  • 減らし目を重ねる。 増し目と同じで、毎段同じ位置で減らすと角ができます。段ごとに減らし目の位置をずらしましょう。

ほかの編み目での目立たない減らし目

同じ考え方は中長編みにも使えます。糸をかけ、次の目の手前側半目、さらに次の目の手前側半目に針を入れ、2本から引き出してから目を完成させます。こま編みの場合ほど一般的ではないので、試し編みをして、ふつうの中長編み2目一度と比べて好きなほうを選びましょう。

よくある質問

目立たない減らし目は、こま編み2目一度と同じですか?

働きは同じ(2目を1目にする)ですが、手前側半目だけを拾って編みます。パターンで特に指定がない限り、こま編みの減らし目の指示があるところならどこでも使えます。

減らし目をしても穴が見えるのはなぜですか?

たいていは、糸に対して針が太すぎるか、目がゆるいためです。あみぐるみでは、目の詰まった編み地にするために、毛糸のラベルの表示より1〜2号細い針を使います。

往復編みでも目立たない減らし目は使えますか?

往復編みでも編めますが、おもに輪編み用に紹介されている方法です。編み地を裏返すと、自分に近い半目は編み地の反対の面になるので、拾わなかった向こう側半目が1段おきに表側に出ます。試し編みで見た目を確かめましょう。

最後の6目はどうやって閉じればいいですか?

糸端を残して糸を切り、とじ針に通します。最後の6目の手前側半目に1目ずつ糸を通し、巾着の口を絞るように引いて穴を閉じます。

日本の編み目名(JIS記号)で解説し、英文パターン用にUS式の略語も併記しています。