• 初心者
  • 15分

かぎ針編みの増し目のやり方(US:inc)

2つの編み目記号を並べた図。左は「こま編み2目編み入れる」で、上の段の「×」2つが下の段の1目にV字形に集まっている。右は「こま編み2目一度」で、上の段の「×」1つの足が下の段の2目にのびている。
左=こま編み2目編み入れる(V)、右=こま編み2目一度(Λ)。増し目は1つの目にこま編みを2目編み入れるので、段の目数が1目増えます。減らし目は2目を1目にまとめます。

記号の見方

  • こま編み · US sc
  • こま編み2目編み入れる · US inc
  • こま編み2目一度 · US sc2tog

増し目は、かぎ針編みでいちばんシンプルな形づくりの方法です。1つの目に2目を編み入れるので、段(周)が1目分広がります。増し目を使うと、まっすぐな帯は三角形に、輪の作り目はコースターに、コースターはボールの上半分になります。どこに、どのくらいの間隔で増し目をするかがわかれば、ほとんどどんな形でも編めるようになります。

用語メモ: 英語のパターンでは、US式の single crochet(sc)がこま編み(UK式では double crochet)、double crochet(dc)が長編み(UK式では treble)です。

編み図と英文パターンでの表し方

日本の編み図では、こま編みの増し目(こま編み2目編み入れる)は、2つの「×」が根もとで1点に集まったV字形の記号で描かれます。英語のパターンでは、多くの場合 inc と書き、「2 sc in the next stitch(次の目にこま編み2目)」という意味です。「2 sc in next st」と略さずに書くパターンもあります。中長編みや長編みのパターンなら、増し目は1つの目に中長編み2目、長編み2目になります。略語の一覧を必ず確認しましょう。

こま編みの増し目のやり方

  1. いつもどおり、次の目にこま編みを1目編みます。
  2. 今編んだ同じ目に、もう一度針を入れます。
  3. 糸をかけて引き出します(針にループが2本)。
  4. 糸をかけて、2本のループを一度に引き抜きます。
  5. 数えます: 1つの目から2目ができました。これで増し目1回です。

ポイント: 増し目のあとに編むのは、2目編み入れた目の次の目です。初心者は、うっかり同じ目に3回めを編んでしまったり、目を飛ばしてしまったりしがちです。

輪編みでの増し目:平らな円の計算

こま編みの平らな円は、1段ごとに6目ずつ大きくなります。なぜ6目なのでしょうか。1段編むごとに半径がおよそ目の高さ1つ分のびるので、円周は2π ×(目の高さ1つ分)だけ長くなります。こま編みは幅より高さが少し低いので、1段あたり約6目増やすとちょうどその伸びに合うのです。

段 編み方 目数
1 輪の作り目にこま編み6目 6
2 すべての目に増し目 12
3 (こま編み1目、増し目)×6 18
4 (こま編み2目、増し目)×6 24
5 (こま編み3目、増し目)×6 30
6 (こま編み4目、増し目)×6 36
n (こま編みn−2目、増し目)×6 6n

覚え方は簡単です。n段めでは、増し目と増し目のあいだにふつうのこま編みがn−2目あり、その段は6n目で終わります。

背の高い編み目では数が変わります。中長編みの円はふつう8目で始めて1段ごとに8目、長編みの円はふつう12目で始めて1段ごとに12目ずつ増やします。

増し目の位置をずらす

増し目をいつもくり返しの最後に置くと、増し目が縦にまっすぐ6本重なります。すると円は角が6つ見える六角形になってしまいます。丸く保つには、段ごとに増し目の位置をずらしましょう。簡単な方法はこうです。

  • 奇数段:(こま編みk目、増し目)×6
  • 偶数段:ふつうの目を半分に分ける。例:(こま編みk/2目、増し目、こま編みk/2目)×6

たとえば4段めは、(こま編み2目、増し目)×6の代わりに(こま編み1目、増し目、こま編み1目)×6で編めます。目数は同じ24目で、増し目の位置だけが変わります。多くのパターンでは、すでにこのようにずらしてあります。

往復編みでの増し目

往復に編む平らな編み地の幅を広げるには、段のはじめと終わりのどちらか、または両方で増し目をします。

  • 段のはじめ: 立ち上がりのくさりのあと、最初の目にこま編みを2目編み入れます。
  • 段の終わり: 最後の目にこま編みを2目編み入れます。

両端で増し目をすると1段につき2目増え、左右対称の三角形や台形になります。

目立たない(ごろつかない)増し目

ふつうの増し目では小さなすき間ができることがあり、あみぐるみでは目につきます。よく使われるきれいな方法は、増し目の1目めを手前側半目だけを拾って編み、2目めを同じ目の頭2本を拾って編むやり方です。試し編みで両方比べてみましょう。違いはわずかですが、なめらかな表面では効果があります。

よくある失敗

  • 目数がわからなくなる。 毎段の始まりに段数マーカーを付け、段の終わりに数えましょう。形が崩れる原因のほとんどは、増し目が1つ足りないか多いかです。
  • 増し目が多すぎる。 編み地がフリルのように波打ちやすくなります。目数が正しかった段までほどきましょう。
  • 増し目が少なすぎる。 編み地がおわんのように丸まって立ち上がってきやすくなります。
  • 六角形になる。 増し目が重なっています。位置をずらしましょう。
  • 「増し目」と「次の2目にこま編み」を取り違える。 増し目は1つの目に編み入れます。先の目に進まないようにしましょう。

よくある質問

増し目の位置はどうやって決めればいいですか?

均等に配置します。編みつける目数を、必要な増し目の数で割りましょう。たとえば30目に6回増し目をするなら、5目ごとに1回なので、(こま編み4目、増し目)×6になります。

増し目は1目と数えますか?2目と数えますか?

2目です。段の終わりに目数が書かれている場合、増し目1回は2目として数えます。

円が波打ってしまうのはなぜですか?

たいていは増し目が多すぎるか、手加減に対して針が太すぎるためです。上の表と目数を照らし合わせてから、細い針を試してみましょう。

増し目の反対は何ですか?

減らし目(こま編み2目一度、US: sc2tog)です。2目をまとめて1目にします。あみぐるみでは、目立ちにくい「目立たない減らし目」を使う人も多くいます。

日本の編み目名(JIS記号)で解説し、英文パターン用にUS式の略語も併記しています。