- やさしい
- 30分
- US sc = UK dc
かぎ針編みのモスステッチの編み方(こま編み+くさり1目)
モスステッチは、かぎ針編みでとても使い勝手のよい模様のひとつです。使うのはこま編み(US: sc/UK: dc)とくさり編みだけなのに、ツイードのような、織物のような整った編み地になります。ボーダーや段染め糸の作品でもよく使われる模様です。「モスステッチ」は英語名(moss stitch)をそのままカタカナにした呼び方です。英語ではリネンステッチ、グラナイトステッチ、ウーブンステッチとも呼ばれます。
用語メモ:英語のパターンでは、US式の single crochet(sc)とUK式の double crochet(dc)がこま編みにあたります。
棒針編みにも英語で同じ名前(moss stitch)の模様がありますが、別物です。かぎ針編みのモスステッチは、表目と裏目の組み合わせではなく、くさりのすき間に編み入れることで模様を作ります。
用意するもの
- 並太〜極太の毛糸と、ラベルの参考使用針に合ったかぎ針(並太なら5/0〜7/0号前後、極太なら8/0号前後が目安。英語版はworsted糸に5mm=8/0号)
- 基本の技術:くさり編み、こま編み、くさりのすき間に編み入れる方法
作り目の目数
作り目は2の倍数、つまり偶数ならいくつでもかまいません。練習用ならくさり20目にしましょう。下の端の目の編み方なら、くさりN目の作り目で、どの段も横にN−1目分(こま編みとくさり1目の合計)になります。
このページでは英語のパターンと同じく、1段めの立ち上がりになるくさり1目も含めて作り目を数えています。日本の編み図の数え方にすると「作り目は奇数+立ち上がり1目」(くさり20目なら作り目19目+立ち上がり1目)です。
記号と略語
日本の編み図(JIS記号)では、こま編みは「×」、くさり編みは横長の楕円で描かれます。英語のパターンを読むときのために、略語も覚えておきましょう。
- ch: くさり編み
- sc: こま編み
- sk: 目を飛ばす
- ch-1 sp: 前段のくさり1目の下にできたすき間
モスステッチの編み方(往復編み)
1段め: 針から2目めのくさりにこま編み、*くさり1目、次のくさりを飛ばし、次のくさりにこま編み*。*〜*を最後までくり返し、編み地を裏返す。(こま編み10目、くさりのすき間9か所)
2段め: くさり1目(目数に数えない)、最初のこま編みにこま編み、次のくさりのすき間にこま編み、*くさり1目、次のこま編みを飛ばし、次のくさりのすき間にこま編み*。*〜*を最後のこま編みの手前までくり返し、最後のこま編みにこま編み、編み地を裏返す。(こま編み11目、くさりのすき間8か所)
3段め: くさり1目、最初のこま編みにこま編み、*くさり1目、次のこま編みを飛ばし、次のくさりのすき間にこま編み*。*〜*を残り2目までくり返し、くさり1目、次のこま編みを飛ばし、最後のこま編みにこま編み、編み地を裏返す。(こま編み10目、くさりのすき間9か所)
2段めと3段めをくり返して、好みの長さまで編みます。
どの段も幅は同じです。こま編みとくさり1目をそれぞれ1目と数えると、どの段も横に19目分になります。
くさりのすき間に編み入れる方法
- くさり1目のすき間を見つけます。 前段のくさりの下にある小さな穴です。
- くさりの目ではなく、すき間そのものに針を入れます(くさりを束に拾う)。
- 糸をかけて引き出し、もう一度糸をかけて2本を引き抜き、こま編みを完成させます。
ポイント: くさりの目に編むより、すき間に編み入れる(束に拾う)ほうが早く、編み地も均一に見えます。すき間が見つけにくいときは、編み地を光にかざすと穴がはっきり見えます。
編み図の読み方
編み図を見ると、しくみがよくわかります。こま編みはいつも前段のくさりのすき間の上に、くさり1目はいつも前段のこま編みの上にあります。例外は両端だけです。どの段も、前段の端のこま編みに編んだこま編みで始まり、同じように終わります。偶数段では、この端のこま編みのすぐ隣に、くさりのすき間に編んだ最初のこま編みが並ぶので、両端にこま編みが2目ずつになります。そのため幅は変わらないのに、段ごとにこま編みの目数が交互に変わるのです。これは出版されているモスステッチの書き方のひとつで、段の両端を前段の端のこま編みに固定するので、最初と最後の目が見つけやすく、目を落としにくくなります。
ほかの書き方では「針から4目めのくさりにこま編み」から始め、2段め以降はくさり2目で立ち上がって、最初のこま編みを最初のくさりのすき間に編むものもあります。模様は同じで、端の見た目と目数が少し違います。パターンに書かれた方法をそのまま使い、混ぜないようにしましょう。
よくある失敗
- くさりのすき間ではなく、こま編みに編んでしまう。 模様が消えて、穴のあいたふつうのこま編みの編み地になります。
- 端の目を落とす。 各段の最初と最後のこま編みは飛ばしやすい目です。数段ごとに目数を数えましょう。
- 作り目が奇数。 奇数だと、1段めの最後が飛ばすくさりで終わってしまいます。ほどいて、偶数の作り目からやり直しましょう。
- 目を飛ばし忘れる。 くさり1目が1目分の代わりになるので、くさりを編んだら必ず1目飛ばします。
- くさりがきつい。 くさり1目がきついと編み地が縮み、織物のような模様が見えにくくなります。ほかの目と同じ大きさで編みましょう。
アレンジ
- ボーダー: 2段ごとに色を替えると、織物のようなチェック風の模様になります。
- 輪に編むモスステッチ: くさりのすき間ごとに(こま編み、くさり1目)を編み、段の終わりを引き抜いてつなぎます。こま編みがいつもすき間に入るので、段ごとに自然にずれていき、端の目を気にする必要がありません。
- 太めの針: 1〜2号太い針で編むとゆるめの編み地になり、マフラーやストールにはこちらを好む人もいます。糸によって変わるので、先に試し編みをしましょう。
よくある質問
モスステッチとリネンステッチは同じですか?
はい。かぎ針編みのモスステッチ、リネンステッチ、グラナイトステッチ、ウーブンステッチは、どれもこま編みとくさり1目を組み合わせた同じ構造の名前です。ただし「グラナイト」を少し違うアレンジの名前として使うデザイナーもいるので、編み方の説明を確認しましょう。
モスステッチの作り目は何目の倍数ですか?
このページの編み方では、偶数(2の倍数)の作り目にします。
モスステッチは丸まりますか?
糸、針、手加減によって変わるので、試し編みで確かめましょう。端が丸まるときは、縁編みをするか軽くスチームをあてると、落ち着くことが多いです。
ブランケットやふきんにも向いていますか?
どちらにもよく使われます。1目おきにくさりが入るので、こま編みだけの編み地より少し目が粗くなります。用途に合わせて糸を選びましょう(ふきんならコットンなど)。
日本の編み目名(JIS記号)で解説し、英文パターン用にUS式の略語も併記しています。