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編み図と英文パターンの読み方
日本のかぎ針編みは「編み図」(記号図)が中心ですが、海外のパターンは英語の文章で書かれていることがほとんどです。英文パターンは、最初は暗号のように見えます。「Ch 1, sc in first st, *sk 2, 5 dc in next st, sk 2, sc in next st; rep from * across. (5 sc, 4 shells)」。でも、決まりごとはほんの少ししかなく、それさえわかればほとんどのパターンが読めるようになります。このガイドでは、パターンの中で出てくる順番に、その決まりごとを紹介します。
1. 用語を確認する:US式かUK式か
最初に確認すべき、いちばん大切なことです。US式とUK式では、同じ名前が違う編み目を指します。
| 日本の名前 | US式 | UK式 |
|---|---|---|
| 引き抜き編み | slip stitch(sl st) | slip stitch(ss) |
| こま編み | single crochet(sc) | double crochet(dc) |
| 中長編み | half double crochet(hdc) | half treble(htr) |
| 長編み | double crochet(dc) | treble(tr) |
| 長々編み | treble crochet(tr) | double treble(dtr) |
| 目を飛ばす | skip(sk) | miss |
| 糸をかける | yarn over(yo) | yarn over hook(yoh) |
UK式で書かれているパターンの手がかりは、「single crochet」や「sc」がまったく出てこない、「gauge」の代わりに「tension」と書いてある、「skip」の代わりに「miss」と書いてある、などです。「dc」と書いてあってどちらかわからないときは、どこかに「sc」がないか探しましょう。UK式のパターンにはscは出てきません。
2. 材料、ゲージ、注意書きを読む
1段めの前に、パターンにはふつう次のことが書かれています。
- 材料: 糸の太さと使用量、かぎ針の号数(mm)、その他の用具。
- ゲージ(UK式では tension):決まった大きさの正方形に何目・何段入るか。たとえば「14 sc and 16 rows = 4 in(10cm)」は「こま編み14目16段が10cm四方」という意味です。仕上がりサイズが大事な作品なら、試し編みをしてゲージが合うまで針の号数を調整しましょう。
- 特別な編み目: 松編みや玉編みなど、特殊な編み目はここで一度だけ説明されます。
- 注意書き: 立ち上がりのくさりを1目と数えるか、輪編みの段を引き抜いてつなぐかららせん状に編むか、どちらが表側(RS)か、など。
注意書きは必ず読みましょう。「どうして目数が合わないの?」という疑問の多くは、ここに答えが書かれています。
3. よく使う略語(US式)
| 略語 | 意味 |
|---|---|
| ch | くさり編み |
| sl st | 引き抜き編み |
| sc | こま編み |
| hdc | 中長編み |
| dc | 長編み |
| tr | 長々編み |
| st(s) | 目 |
| sk | 目を飛ばす |
| yo | 糸をかける |
| sp | すき間(例:ch-1 sp=くさり1目のすき間) |
| inc | 増し目(1つの目に2目編み入れる) |
| sc2tog / dc2tog | 減らし目:こま編み2目一度/長編み2目一度 |
| BLO / FLO | 向こう側半目のみ/手前側半目のみ |
| RS / WS | 表側/裏側 |
| rep | くり返す |
| beg | 始め |
| t-ch | 立ち上がりのくさり |
4. くり返し:アスタリスクとかっこ
- * … ; rep from *: アスタリスクのあとの指示を、指定の回数くり返します。「across」なら段の終わりまでです。
- [ … ] 3 times または ( … ) 3 times: かっこの中のすべてを、合計3回編みます。
- (2 dc, ch 2, 2 dc) in next st: かっこの中の目を、すべて同じ目に編み入れます。
- 行末のかっこ内の数字: その段(または周)を編み終えたときの目数です。例:(24 sts)=24目。
5. 1行ずつ読み解いてみる
松編みの模様の1段を、少しずつ読んでみましょう。
Row 2: Ch 3 (counts as dc), 2 dc in first sc, *sk 2 dc, sc in next dc, sk 2 dc, 5 dc in next sc; rep from * across, ending with 3 dc in last sc, turn.
- Ch 3 (counts as dc): くさりを3目編みます。これは1目と数えるので、段の最初の目になります。
- 2 dc in first sc: 最初の目に長編みを2目編み入れます。
- *: くり返しの始まりの印です。
- sk 2 dc, sc in next dc: 2目飛ばして、3目めにこま編みを編みます。
- sk 2 dc, 5 dc in next sc: さらに2目飛ばして、次の目に長編みを5目編み入れます。
- rep from * across: アスタリスクに戻り、段の終わりまでくり返します。
- ending with 3 dc in last sc: 最後のくり返しだけ、終わり方が違います(最後の目に長編み3目)。
- turn: 次の段に備えて、編み地を裏返します。
6. 往復編み(段)と輪編み(周)
- Row(段): 行ったり来たり編み、段の終わりごとに編み地を裏返します。
- Round(周・段): 円を描くように編みます。各段の終わりで引き抜き編みをしてつなぐ方法と、つながずにらせん状に編み続ける方法(あみぐるみに多い)があります。らせん状に編むときは、段数マーカーで各段の始まりを示します。
7. 編み図(記号図)の読み方
編み図は、言葉の代わりに記号を使います。日本の編み図(JIS記号)でよく使う記号は次のとおりです。
| 記号の形 | 編み目 |
|---|---|
| 白抜きの横長の楕円「○」 | くさり編み |
| 黒い小さな楕円「●」(海外では点や小さな弧のことも) | 引き抜き編み |
| 「×」(「+」で描かれることも) | こま編み |
| 「T」 | 中長編み |
| 「T」の縦棒に斜線1本 | 長編み |
| 「T」の縦棒に斜線2本 | 長々編み |
往復編みの編み図は、いちばん下から読み始め、1段めは右から左、2段めは左から右と、1段ごとに交互に読みます(各段の端にある立ち上がりの位置がその段の始まりです)。輪編みの編み図は中心から外へ、右利きの場合はふつう反時計回りに読みます。基本の記号は国によってあまり変わらないので、海外の記号図も読めることが多いのが編み図の便利なところです。ただし、半目を拾う記号や玉編みの記号など、描き方が違う記号もあるので、必ず記号図の凡例を確認しましょう。
よくある失敗
- US式かUK式かを確認しない。 すべての目が1段階高すぎたり低すぎたりして、仕上がりの大きさが変わってしまいます。
- 注意書きを読み飛ばす。 立ち上がりのくさりの数え方は、たいていそこに書かれています。
- くり返しの途中で、どこを編んでいるかわからなくなる。 段数カウンターを使うか、印刷したパターンに1行ずつ印をつけましょう。
- 目数を気にしない。 自信のない段は、編み終わるたびに数えましょう。
- 帽子やセーターなど、サイズが大事な作品で試し編みをしない。
よくある質問
英文パターンのアスタリスク(*)は何を意味しますか?
くり返しの始まりの印です。「Rep from *」は、アスタリスクに戻ってその指示をもう一度編む、という意味です。
かっこの中の数字は何を意味しますか?
段(または周)の終わりにあれば、その時点であるべき目数です。指示の途中にあるかっこは、まとめて編む目や、同じ場所に編み入れる目をひとまとまりにしています。
パターンがUS式かUK式か、どうすればわかりますか?
まずパターンの注意書きを確認しましょう。「single crochet」や「sc」がまったく出てこなければ、ほぼ確実にUK式です。
ゲージは必ず合わせなければいけませんか?
ブランケットやふきんなら、だいたい合っていれば大丈夫です。サイズが合っていないといけない作品は、ゲージを合わせないと仕上がりの大きさが変わってしまいます。
日本の編み目名(JIS記号)で解説し、英文パターン用にUS式の略語も併記しています。